先日、Soundcraft Notepad-8fxを購入しました。 取扱説明書を読んではみたものの、ミキサー初心者にとっては分かりにくいところが多々ありました。 そこで、実際にいじってみたり、調べてみたことも踏まえて、自分なりのトリセツを作ってみましたので公開します。どなたかの参考になれば幸いです。 (ちなみに、公式の取扱説明書はSoundcraftやサウンドハウス のホームページで公開されています。)
1. 音声信号の流れ
Soundcraft Notepad-8fxの音声信号の流れを図示すると、以下のようになります。
図1 音声信号の流れ
【知っておきたいこと】
音声信号の流れとMASTER/AUXラインついて 各入力チャンネル(緑枠)から入力された音声信号(緑の矢印)は、AUXライン(青の矢印)とMASTERライン(赤の矢印)に分岐して、各々の出力端子(青の実線枠と赤の実線枠)に出力されます。 ここで、MASTERはメインの出力ラインであり、AUXは補助的な役割を担った出力ラインです。(AUXとはAuxiliaryの略であり、「補助の」という意味です。) なお、AUXラインは、モニター用(いわゆる"返し")としたり、AUXラインの出力端子から取り出した信号に外部エフェクトをかけて入力へ戻したりするのに使用します。
USB端子からの入出力とループバックについて 7&8chにはUSB端子があり、PCやスマホ 等の外部機器を接続し、デジタル音声信号(伴奏とかBGMなど)を入力することができます。また、赤の点線枠で示したとおり、MASTERラインの音声信号はUSBへも出力されますので、PCやスマホ 等で配信したり、録音したりもできます。 そして、USBからの入力と出力は同時にできるため、USBにつないだ外部機器から音声信号を入力しつつ、別チャンネルからの音声信号とミックスした出力を取り込みできます。(いわゆる、ループバックです)
MASTER/AUXライン出力のモニター方法について 青の点線枠で示したとおり、MASTERラインにあるヘッドフォン出力では、MASTERラインだけでなく、AUXラインの出力をモニターすることもできます。これは、MASTER/AUXボタンの切り替えによって有効にできます。(MASTER/AUX切り替えボタンについては、3. 各部名称・機能を参照)
2. チャンネルの構成
各チャンネル(1ch~8ch)を大別すると、モノラルチャンネルとステレオチャンネルに分けられます。1chと2ch がモノラルチャンネルで、3&4chと5&6chと7&8chがステレオチャンネルです。 また、各チャンネルは独立していて、縦の音声信号の流れ(図1で言えば赤と緑の矢印)で1セットになっており、この1セット内にある音声調整の機能が適用できます。 モノラルチャンネルとステレオチャンネルで適用できる機能を下図に示します。 (各々の機能の詳細は、3. 各部名称と機能を参照ください。)
図2 チャンネルの構成
3. 各部名称と機能
Soundcraft Notepad-8fxの各部名称と機能は、以下のとおりです。
図3 各部位の付番
XLR端子でマイクをつなぐことができます。 本体に給電した時点で48Vファンタム電源がオンになるので、コンデンサーマイク も使用できます。ダイナミックマイク ならバランス式のものであれば使用可です。 また、コンボジャックになっているので、Hi-ZボタンをONにすれば、1chをライン入力としても使えます。 なお、1ch,2ch ともにハイパスフィルターボタンがあり、これをONにすれば100Hz以下の低音域にあるノイズを減衰できます。(その名のとおり、ハイ(=高い)周波数の音だけをパス(=通す)フィルターです)
ステレオライン入力であり、キーボードなどのL/R両方にジャックをつなぐ楽器で使用できます。モノラルライン入力としても使えるので、ギターやベースをつなぐときはLの方にジャックを差せば使用できます。
外部機器から音源を入力する場合に使います。RCA ケーブル(赤・白のピンケーブル)でつなぎます。
外部機器(PC、スマホ 、ダブレット 等)をつないで、デジタル音声信号の入出力ができます。外部機器からデジタル音源(伴奏とかBGMとか)を入力したり、各チャンネルからの入力をミックスした音声信号を外部機器へ出力したりできます。
MASTERラインのXLR端子によるステレオ出力です。 アンプ、PA システム、レコーダーなどにつないで、ミックスした音声信号を出力できます。
AUXラインから出力された音声信号を取り出せます。(モノラル信号として取り出します。) また、ここにヘッドフォンをつないで、モニター用に使うこともできます。 これらの機能は、⑲のボタンで切り替えできます。
ここにヘッドフォンをつなぐことで、MASTERラインからの音声出力、又はAUXラインからの音声出力のいずれかをモニターできます。 どちらをモニターするかは、⑱の切り替えボタンで選択できます。
モノラルチャンネルの入力信号レベルを増幅するツマミです。※ +10db~+60dBまで調節できます。 ※モノラルチャンネルから入力するマイク等からの音声信号は小さいため、プリアンプにより『増幅』します。
ステレオチャンネルの入力信号レベルを調整するツマミです。※ -20db~+20dBまで調節できます。 ※ステレオチャンネルから入力するキーボード等からの音声信号レベルは、ミキサーで取り込むのに適したレベルに元々なっているので『調整』します。(英語の「Trim」には、釣り合いをとる、調整するといった意味があります。)
高・中・低音域のイコライザー です。 高音域(HF)は12kHz以上、中音域(MF)は2kHz付近、低音域(LF)は80Hz以下を増幅したり、減衰させることができます。ノイズを除去したり、音質を変えたりするのに使います。(例えば、モコモコして聴こえるときには、低音域を減衰させて明瞭な音にする等)
各チャンネルからの入力信号について、エフェクトのかかり具合を調整します。また、AUXラインに出力する音声信号レベルをチャンネル毎に調整する役割も担っています。
全チャンネルの入力信号について、エフェクトのかかり具合を調整します。 また、AUXラインに出力する音声信号レベルの調整も担っています。
モノラルの音声信号について、音を左右に振る(空間上の音源位置を変える)ことができます。 例えば、左/右のスピーカーに音声が出力される場合、ツマミを"0"にしていると、音声は左/右のスピーカーに同一レベルで出力されます。(つまり、真正面から音が鳴っているように感じる) ここで、ツマミを左側に回しきると、左スピーカーからのみ音声が出力されますが、そこから右側へ回していくと徐々に右側へ音源位置が移っていくかのように聴こえます。
ステレオの音声信号について、左右から聴こえる音量レベルを変えることで、空間上の音源位置を変えることができます。 概念は⑬のパンと同じですが、ステレオ音声に対して使う機能なので、元から左/右の音声信号にレベル差があった場合、それが"0"位置になります。(そこを基準に左右の音量レベルを調整することで、左右に音を振っていく)
MASTERラインへ送る音声信号レベルを各チャンネル毎に調整します。 このツマミを”0”の位置に合わせ、ゲイン/トリムの方で音量を決めるのが一般的な設定方法です。
MASTERラインのミックスされた音声信号を出力する際に、最終的な音量を調整します。一般的には、"0dB"の位置にマスターフェーダーを合わせて、状況に応じてフェーダーを上下させて微調整します。(例えば、ライブ配信 しているときに、タイトルコールだけはフェーダーを上に押し上げてボリュームを増すとか)
フェーダー後の、MASTERライン出力の音量レベルを表すメーターです。 最上段の赤いピークインジケーターが常に点灯するような場合には出力音量が大きすぎるので、適切に出力レベルを調整する必要があります。(逆もまた然りです)
出力される音声信号をモニターする際の音量を調整できます。 ツマミの上側にあるボタンで、MASTERライン、又はAUXラインのいずれをモニターするか選択できます。
AUXラインからの音声信号について出力タイプを選択できます。 ボタンを押さない状態だと、外部機器へモノラルの音声信号を出力します。ボタンを押した状態だと、AUXにヘッドフォンをつないでステレオ音声信号をモニターできるようになります。
ディレイ、コーラス、リバーブ のうち任意のエフェクトを付与できます。3つすべてのボタンを押すと、カラオケモード(カラオケっぽいエフェクト)になります。エフェクトの効き具合は、パラメータつまみで調整できます。また、ディレイの繰り返し時間は、タップテンポボタンで任意に指定できます。(繰り返し時間の最大は1秒間隔)
4. まとめ
以上、実際にいじってみたり、調べてみたことも踏まえて、Soundcraft Notepad-8fxの音声信号の流れ・チャンネル構成・各部名称と機能を説明しました。 どなたかの参考になれば幸いです。
5. 参考
Soundcraftやサウンドハウス のホームページで公開されている取扱説明書のリンクを貼っておきます。
Soundcraft Notepad-8fxの商品リンクはこちら↓
【Soundcraft notepad-8fx】
Soundcraft Notepad-8fxと類似のミキサーが知りたいなら、こちらの記事をご参考に↓
www.bing.com
(初稿:2025年10月26日)